昭和45年創業の(有)安積は、もともと地元で愛されている仕出し料理店。
地域農家との付き合いが古く、仕出し弁当に使う野菜類は契約栽培してもらい、
安心安全なものを提供してきました。
安積保社長は「うちでは、地産地消という言葉がもてはやされる前からやっていたんですよ」と笑います。
なかなかのアイデアマンでもある社長は、
平成13年に各務原商工会議所内の各務原市特産品作り研究会初代会長に就任。
各務原市の大地から生まれた特産品づくりに情熱を燃やしています。
各務原の地域資源である人参をすりおろしてつくったのが、
食べる人参ジュース「各務野ジュース」です。
人参は息吹農法で育てられています。この農法は化学肥料や農薬を使いません。
肥料は堆肥や油かす、害虫は竹酢や籾殻酢を葉に塗って防ぎます。
さらに、地域のため、環境のため、健康のための「こだわりの人参づくり」をコンセプトに、
「各務原の地域資源人参プロジェクト」を立ち上げ
息吹農法の種まき、草とり、間引き、土寄せなどの作業を
市民サポーターに手伝ってもらう仕組みをつくりました。
現在商品化されている各務野ジュースは、人参70%にリンゴ30%の割合ですが、
「次は、甘味の強い夏人参を使った、人参100%のジュースを出すつもりです」と安積社長。
試作品はすでに完成しており、今ある既存のジュースと飲み比べさせていただきました。
どちらも青臭さはなく、おいしいのですが、
100%の方がより人参の風味が効いていて、甘味もまろやかに感じました。
思わず「これは売れそうですね」と言ったら、すでに予約が入っているそう。
本格的な販売は1年後の予定です。
安積社長が手がけた特産品は人参ジュースの他にもまだまだあります。
近所の小町酒造(株)さんとコラボレーションしてつくったのは、
人参の甘くフルーティな香りと、スッキリした飲み心地が人気の人参焼酎「かかみ野」。
また、ポリフェノールたっぷりの紫イモや整腸作用のあるヤーコンを
休耕田を利用して栽培し、そのまま販売したり、ジャムなどに加工したりしています。
そして、もうひとつ力を入れているのが日本ミツバチによる養蜂です。
ミツバチは野生のものを捕獲します。
近年、農薬などの使用で、めっきり数を減らしているといわれている日本ミツバチですが、
各務原には多く、これはきれいな環境が守られているという証拠だとか。
ときには、市民から蜂の巣駆除を依頼された役所からの連絡で捕獲することもあり、三者両得。
集めた蜂蜜は、瓶詰めとして売られる他、人参ジュースの隠し味にも使われます。
また、日本ミツバチの飼育箱は
柿や苺などの栽培農家に貸し出され、作物の受粉にも一役かっています。
「各務原には飛行場があります。
そこの敷地の草刈りを任されているのですが、日本ミツバチはクローバーなどから蜜を集めます。
そして、刈った草は関市のさるちゃん牧場に運び、
飼育されている乳牛のエサになり、糞は堆肥として畑にまいて人参を育てます。
その人参でペーストをつくり、さるちゃん牧場でつくっているジェラードに混ぜて商品にする。
そんな物語ができているんですよ。」
安積社長の言葉に、地元の資源を地元で回す循環型社会のあり方と
人の輪の大切さを教えられる思いがしました。
「各務原の地域資源人参プロジェクト」の人参栽培サポーターは誰でも応募できます。活動は原則、毎週金曜日9時〜午前中。3,000円の参加費がかかりますが、これは本気の人を集めるため。そのかわり人参ジュースや人参焼酎のプレゼントに加え、ジャム、金魚めし、葉のふりかけなどの作り方を教えてもらえる人参料理教室への参加得点があって、元を取るには十二分。第3回目となるサポーター募集は今年(平成23年)7月の予定。下記(有)安積のホームページ、もしくは小町酒造(株)のホームページを要チェックです。
(宮内京子)
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店舗名 | 有限会社 安積 |
住所 | 〒504-0905 岐阜県各務原市蘇原六軒町4-19-1 |
TEL/FAX |
TEL:058-383-5815 FAX:058-382-0750 |
URL | 岐阜県各務原の減農薬国産食材取扱・あづみ |
2011年3月11日現在の情報になります。
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