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ハウス栽培が
長期出荷を支える
2016.02.02 更新

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現在の東海市から全国に広まった「愛知早生フキ」。愛知県産のフキのほとんどが、東海市をはじめ知多市や南知多町など知多半島で栽培されています。
本来は春が旬のフキですが、ビニールハウスを使った独自の栽培方法により、10月から翌5月までの長期間にわたり収穫できるようにしています。
今回は、知多市のフキ栽培農家、竹内利王(たけうちとしおう)さんにお話を伺いました。

大きなフキがハウスを埋め尽くす

「父親の代から始めたフキ栽培に携わって35年になります」と竹内さん。フキの栽培は、150年~200年ほど前から行われていたそうで、1960年代後半には現在のようなビニールハウスでの栽培が始まりました。竹内さんも3ヶ所にハウスを持っているそうです。1月下旬、前年の10月から始まった秋フキの収穫が最終の時期を迎えていました。
フキは地下茎が地中に伸び、そこから地上に葉が出て伸びていきます。食用にする茎のような部分は葉柄(ようへい)と言います。「ピンとまっすぐに立っているのがいいフキです。地下から水分を吸いあげている証拠です」。
時期によっては1日3センチほど伸びるというフキ。高さが1メートル以上になると、葉柄の根本からカマを使って刈り取りします。「1日にハウス1棟の半分ほどを刈り取ります。およそ400キロぐらいですね」。

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ほぼ毎日、収穫作業が続くと話す竹内さん


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9棟のハウスが連続してつながるビニールハウス。すでに半分ほど収穫が終わっています


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葉柄を傷つけないように、3本ぐらいずつまとめて刈り取ります

傷つけないように手早く梱包

刈り取ったフキは、ゴザにくるみ、作業場まで運びます。長さごとに選別をしたあと、4本1束にしてラップでくるんでいきます。簡単そうに見えますが、1メートル以上もあるフキを均一な状態で包むのは難しいそう。ラップにしわができたり、葉柄に傷がついたりしては商品になりません。
ラップ包装したフキを箱詰めして出荷します。「サイズごとに1箱に入れる束の数が決められていて、長さが1150ミリ以上の2Lサイズなら、1箱に8束です」。
こうして選別、梱包をしたフキは翌日に出荷し、その日のうちに各市場へ向けて発送されます。

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葉柄が折れたり傷ついたりしないように、ハウスでゴザにくるんで運びます


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4本ずつ根元をそろえて、ラップで包みます


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葉の部分をたたんで一気にラップで巻きます


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ラップはフキ専用のもの。中には生産者名やブランド名が印刷されたラベルを入れます

作業はほぼ1年間を通して

秋フキを刈り取ったあとの葉柄の間から、つぼみのような形をした花茎が出てきます。これが「ふきのとう」です。
秋フキの収穫が終わったハウスでは、2月から出荷をする春フキが20~30センチぐらいに育ち始めています。「春フキはとくに香りがよく、やわらかいのが特徴です。収穫は5月ごろまで続きます」。
春フキの収穫が終わると、すべてのフキの地下茎を掘りあげて、土に肥料を入れながら耕します。「フキ栽培に向いている土壌は、水はけのいいことが条件です」と竹内さんは言います。
フキ栽培でいちばん大変なのは、種株を植える作業だとか。「手作業で一つひとつ植えていくのですが、植え付けの時期がちょうど8月で、炎天下での作業になるので…」。畑から掘り出して冷蔵保存しておいた種株を夏に植えることで、フキに春が来たような錯覚をおこさせ、生長をうながす栽培方法です。
その後は、水やりをしながら台風など風にも注意をはらい、温度や湿度を調節しながら育てます。竹内さんは10月に入ったらハウスにビニールを張り、収穫に備えます。

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大きくて丈夫な株から採れるふきのとう。外側はピンク色の葉で覆われています


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葉の中からのぞく花茎がふきのとう


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ピンク色の地下茎が横に伸び、春フキが伸び始めています

2016年1月20日取材時の情報です。
ライター:田中マリ子

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